2014年08月24日

ある恋の旅路_2

1.無慈悲な、だれも救われない世界である。
⇒薄い本をどうぞ。

2.――だが奇跡が起こった。

「「「ブギャーーー!」」」

それは、突然やってきた。

『な、なに?』
思いっきり泥に顔面を突っ込んでいるノームの少女に知覚できるのは、『音』だけだ。

ブン!
ブウウン!

『斧?剣?』
なにかが振られる音。

それ以外は、オークのブヒっ、ブヒ――という鼻息なんだか鼻声なんだかよくわからない音しか聞こえない。

やがて、その音は遠ざかっていき、

『あっ、あれ?』
森に、静けさが戻って来る。

『わっ、わたし。助かったの?』
うれしさに顔を上げようとして、

『はっ!』

――気づく。
自分の顔面に施された泥パックに。

『だ、だめ!こんな顔見せられない!』

『誰』に見せられないってそりゃあ、

――ガチャリッ…、ガチャリッ…。
絶対絶命の『ヒロイン』であるところの『私』を助けててくれた、『ヒーロー』にである。

――ガチャリッ…、ガチャリッ…。
『彼』の、白銀の甲冑が奏でる金属音が近づいてくる。

『キャ、キャーーーー!』

――ブボリ!

ノームの少女は、よくわからない衝動に任せて、顔をさらに泥の中に埋めていく。

『だめ――!こないでー!』

心臓のドキドキが止まらない!
--酸素が足りなくて。

胸が苦しい!
--息ができなくて。

「―――、――。」
上から『彼』の声が落ちてくるが、少女の耳には届いていない。

――ツンツン。
『彼』が、少女の背中をつつく。

「………。」
グッっと、『彼』が少女の体を持ち上げる。

「………。」
それはとても重く、
――息をしていなかった。




★ 今日の死因 ★ : 窒息死♪

posted by レクタード@wiz at 21:04| 千葉 ☁| Comment(1) | ある恋の旅路(未完・放置) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
@もついでに書いてください。
Posted by Ev○ at 2014年09月01日 05:31
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