2013年10月30日

イルコレ2013 reverse

http://kariguri.blog.fc2.com/blog-entry-16.html#more

************************************

「なんで!あたしより、冒険が大事だっていうの!」
最初の別れは、幼馴染のドワーフとだった。

「xxx様。私と共に、生きてくださりませんか?」
野盗から救ったノームの求愛を断り、

「べ、別にあんたみたいな肉団子が好みってわけじゃないのよ!」
野良で知り合った、ツンデレエルフメイジを袖にし、

「君の、広い背中…。僕、忘れないよ…。」
僕っこのヒューマンファイターの初恋を踏みにじった。

「………。」
何様のつもりだというのか、私は。

みな、よい娘だった。

私の気の強さを理解し、それでもいっしょにいたいと言ってくれた彼女らを、
なぜ、私は受け入れられなかったのか…。

その問いは、意外なところで幕を閉じる。

「この髭・・・ どう思う・・・?」
「とても・・・ 綺麗です・・・」

イルファーロ中央広場。
その噴水のそば。

そこで、私は『彼』に出会った。

なんていうことはない…。
私は、『漢』しか愛せなかったのである。

************************************

彼は、漢の中の漢だった。

誰より熱く、誰より誇り高く、誰より強い『芯』を持つ漢。

ファイターである彼と、プリーストである私の相性は最高だった。

対の剣と鞘のように、
はじめからそう収まるように作られていたように、
彼と私は、最初の呼吸で一体となれた。

「――――。」

それでもう、十分だった。

彼と意見が合わないことはあった。
趣味も、好みもちぐはぐだった。

だがそんなことは些細なことで、
彼とは表層ではなく、ソウルでつながれたのだ。

一人ぼっちだと、
他者に慣れることのできない自分を持て余していた私にとって、
彼はまさに、『光』だった。

ああ、だから私は後悔している。

私の臆病を。
私に彼の100万分の1でも勇気があれば、あんな失態は演じなかった。

「レッサーデーモンかあ?いいぜ!俺達にとっちゃNormal+1の鍛錬くらい簡単だぜ!」
地下水路三階の決戦場。

そこで私たちは闇天使に遭遇した。

私の祖母は優しい人で、勝ち気で喧嘩っ早い私を、もう少し慎重な大人に育てたかったのだろう。
私は寝物語として、闇天使が登場する教訓話を良く聞かされていた。

邪悪で、強く、恐ろしい生き物。

三つ子の頃に植えつけられた恐怖心が、今頃私を捕えてしまった。

「!!」
竦んだ私を置いて、勇敢な彼が行ってしまう。

彼が、逝ってしまう。

「うあああああああ!!」
彼を失う『恐怖』が、トラウマを打ち破る。

私の光は、奪わせない。
この戦いが終わったら、私は、彼と…。

奔る。

彼は勇敢にも、レッサーデーモンと真っ向から対峙し、その身を削られながら一撃必殺のタイミングを狙っている。

待っていてほしい。
レジストの射程まで。

もっていてほしい。
ヒールが届くまで。

「くらえやああああ!」
でも彼は勇猛だから、デーモンの詠唱をチャンスと見て、自らの体ごと跳びかかっていく。

「―――――。」
その瞬間、世界の速度が、急に遅くなった気がした。

きっと、神様が時を止めてくれたのだと、私は思った。

ああ、神様。
ありがとう。

私の短い脚が、高速で回る。

ぶちぶちと筋肉の筋がきれる音が、心地よい。

あと、5m…, 4…, 3…


――どん。

身体ごとぶつかり、デーモンに槍を突き立てた彼を吹き飛ばす。

「えっ?」

驚いた彼の顔。
それが最後に見る彼の顔であることが少し、惜しかった。

どうせなら、
いつも見せる、
屈強で、満足そうで、頼もしい笑顔のほうが――

――じゅわ。

己の体が焼ける音。

闇天使の放った火の玉が私を焦がす。

それで、私のなかの何かが、終わってしまった。

「xxxxx!?」

彼が私の名を叫びながら、焼け焦げた私を抱え上げてくれる。

「大丈夫だ!今、ポーションを!」

私は少し笑って、彼を見上げる。

「あなたが無事で良かった・・・ 
ここが終わったら・・・ 
あなたと結婚しようと・・・
言おうと思っていたのに・・・
これじゃあ・・・
言え・・・
な・・・」

本当に、悲しい。

だって、

「うおおおおおおおおおお!!!!」

だって、あなたは強いから。
きっと泣けないってわかってしまう。

だって、あなたは優しいから。
死ぬまで私を負って、生きてしまうだろうから。



posted by レクタード@wiz at 22:48| 千葉 ☁| Comment(4) | SS(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月27日

第一章 第二項

長編ダイジェスト版 1章 その3

続きは追記で


続きを読む
posted by レクタード@wiz at 12:42| 千葉 ☀| Comment(2) | 長編(未完・放置) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第一章 第一項

長編ダイジェスト版 1章 その2

続きは追記で

続きを読む
posted by レクタード@wiz at 09:16| 千葉 ☀| Comment(0) | 長編(未完・放置) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。